SHIKIMEI REVIEW
Les Parfums Japonais香りの意匠、100年の歩み
資生堂香水「セレナーデ」1934年
写真:金澤正人
Les Parfums Japonais香りの意匠、100年の歩み
資生堂香水「花椿」1917年
写真:金澤正人

Les Parfums Japonais
香りの意匠、100年の歩み

資生堂ギャラリー

資生堂の誕生は1872(明治5)年。当初は洋風調剤薬局としてスタートしましたが、1916(大正5)年に化粧品分野に本格的に移行。この頃、経営にあたっていたのが、創業者の息子、福原信三です。自ら写真を撮影するなど、美や芸術への関心が高く、それゆえ、当時としては珍しく、社内にデザイン専門の部署「意匠部」を設けています。

信三をはじめとする意匠部の面々は、海外の美術やデザインの潮流を深く理解していました。いま、ふりかえってみても、彼らの先進性には驚くべきものがあり、アールヌーボーやアールデコ、唐草模様などをとりいれた意匠は、後に資生堂調と呼ばれる流麗な造形に結実します。

資生堂の商品は、創業以来、数万点を数えますが、今回の展覧会のテーマは香水瓶。「香りを芸術にまで高めたい」という信三の思いは、香りのみならず、それを封じ込めるためのボトルの細部にまでおよんでいます。香水瓶という小宇宙。そこには連綿と受け継がれてきた「商品の芸術化」というテーゼが凝縮されているのです。

ガラス工芸で知られるルネ・ラリックを筆頭に、20世紀初頭のフランスでデザインされた香水瓶は、若き日の信三を魅了しました。それらを大いに参照しつつ、日本的な美意識を巧みに導入し、優美さをたたえたボトルを次々と生み出したのです。会場に並ぶのは100年前の香水瓶から最新のプロトタイプまで40点。資生堂における、およそ100年にもわたる〝美の追究〟の歩みが一望できる展示になっています。

空間構成を手がけたのは、注目のグループ「plaplax」。インタラクティブデザインの技術を駆使し、さりげなく五感を刺激する演出で、来場者を楽しませてくれます。

会期  :2016年11月2日(水)~12月25日(日)
開廊時間:平日11:00〜19:00 日曜・祝日11:00〜18:00
休廊日 :月曜(月曜日が祝日にあたる場合も休館)
http://www.shiseidogroup.jp/gallery/

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