SHIKIMEI REVIEW
未来を担う美術家たち19th DOMANI・明日展文化庁新進芸術家海外研修制度の成果
池内 晶子《Knotted Thread-Red-h120cm》2009年 gallery21yo-jでの展示
未来を担う美術家たち19th DOMANI・明日展文化庁新進芸術家海外研修制度の成果
平川 祐樹《A candle》2012年 ※参考画像
未来を担う美術家たち19th DOMANI・明日展文化庁新進芸術家海外研修制度の成果
秋吉 風人《naked relations》2013年 個人蔵
©Futo Akiyoshi Courtesy of TARO NASU, photo by Keizo Kioku

未来を担う美術家たち
19th DOMANI・明日展
文化庁新進芸術家海外研修制度の成果

国立新美術館

文化庁は、1967年から「新進芸術家海外研修制度」を実施し、海外の大学や関係機関などが行う、若手アーティストための研修をバックアップしてきました。その成果を発表する場として、1998年に始まったのが「DOMANI・明日展」。今回で19回目を迎えます。今回の出品作家は13名。絵画、写真、映像、アニメーション、インスタレーション、陶芸、メディアアートなど、主題も方法論もまったく異なる作品が並び、さまざまな傾向が楽しめます。ここはいわば、次代を切り拓く新世代アーティストのショーケースなのです。

絵画の構造を剥き出しにする秋吉風人。
繊細な絹糸を用いて、息を呑むほど緊張感にあふれる空間を現出させた池内晶子。
戦争にまつわる記憶と歴史の問題に、写真表現の本質を結び合わせる今井智己。
ときに黒いユーモアを感じさせつつ、絵画表現を虚構化のプロセスとして捉えた岡田葉。
書くこと/描くことを、そのまま運動=アニメーションとして提示する折笠良。
汎アジア的なモチーフを導入し、日本画の可能性を拡張した金子富之。
身体と知覚のありようをインスタレーションとして再構成する曽谷朝絵。
テクノロジーを用いて、かつて存在した時間感覚を体感させようと試みる平川祐樹。
個人的な体験を陶土に封じ込め、新たな記憶としてかたどる保科晶子。
グロテスクな変形をともないながら、混沌とした自画像=世界像を描く松井えり菜。
映像と音響の巧みなコラージュ/インスタレーションで空間を一変させた南隆雄。
人間=環境=テクノロジーの問題系をメタフォリカルに超克しようとする三原聡一郎。
海女という地域文化を通して、人類共通の普遍性を探った山内光枝。

グローバル化が進む社会を反映するかのように、このうち4名は海外を拠点に活動を続けていますし、国内を拠点にしている作家の中には、日本的なるものの問い直しを試みる方もいます。ですからこれは、来たるべき2020年代に向け、〝再定義される日本〟をテーマにした企画でもあるのです。いずれにしても、アートとは本来的にあらゆる境界線を越えてゆき、〝その先の未来〟を垣間見せてくれる活動なのだということを、強く実感させられます。

会期  :2016年12月10日(土)−2017年2月5日(日)
開館時間:10:00−18:00(金・土は20:00まで) ※入場は閉館30分前まで
休館日 :火曜日、年末年始(12月20日−1月10日)
観覧料 :一般1000円、大学生500円、高校生・18歳未満は無料
※1月21日(土)は開館10周年を記念して入場無料
http://domani-ten.com

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