SHIKIMEI REVIEW
DAVID BOWIE is
Shintaro Yamanaka(Qsyum!)
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DAVID BOWIE is

寺田倉庫G1ビル

20世紀を代表する最大のポップアーティストにして、不世出のトリックスターであるデヴィッド・ボウイ。その回顧展「DAVID BOWIE is」が、ついに日本上陸です。これは英国のヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)の企画で、ロンドンを皮切りに、トロント、サンパウロ、ベルリン、シカゴ、パリ、メルボルン、フローニンゲン、ボローニャを巡回、およそ160万にものぼる入場者数を記録したワールドワイドなエキシビションです。今回の東京展は、アジアでは初めて、かつ、唯一の開催となります。

ボウイはロック史にその名を刻むだけの存在ではありません。独創的なサウンド、文学的な歌詞、前衛的なヴィジュアル、演劇的なステージ、最先端のファッション、映画への出演……等々、20世紀文化のありとあらゆる水脈を飲み込みつつ、それらをすべて自らのものとして昇華したうえで、ポップカルチャーとして提示することのできた唯一無二のアーティストなのです。ある意味、アンディ・ウォーホルの正統な後継者だったとも言えるでしょう。

会場には、オリジナル衣装、写真、映像、ミュージックビデオ、手書きの歌詞、セットデザイン、アルバムのアートワーク、楽器、ボウイの私物など、初公開となる貴重なアイテムが300点以上も並んでいます。たとえば、ボウイ自身がミュージカル化を切望しつつも、最終的には実現しなかった『一九八四年』の絵コンテ。これはアートとデザインを専門とするV&Aだからこそ発掘できた幻のスケッチです。どれひとつとして見逃すことのできない資料が、歴史的なパースペクティヴのもと、ゆるやかに体系化されているため、会場全体をじっくり見て回るには、優に3時間以上もかかります(ですので、あらかじめ日時指定の前売りチケットを購入し、余裕を持って来場することを、強くおすすめします)。

さらに、ボウイの名曲〈サウンド・アンド・ヴィジョン〉というタイトルそのままに、入場者はそれぞれヘッドフォンを装着し、ボウイの楽曲やインタビュー音声を聴きながら、展示を鑑賞するスタイルとなっています。ファンにとっては感涙ものですし、ボウイを知らない世代にとっても、その世界観を直接的に体感できる、またとない機会でしょう。また、日本文化をこよなく愛したボウイですが、東京展では特別に、北野武さん、坂本龍一さんのインタビュー映像も用意されています。『戦場のメリークリスマス』で共演した際の思い出を語る姿には、ボウイという希有の存在に対する敬意がひしひしと感じられます。

残念ながら、ボウイの魂は、2016年1月10日、この地上を離れ、天上に輝く星の群れの中へと旅立っていきました。しかし、わたしたちの目の前には、彼が創り出した音楽をはじめとして、ダイヤモンドのような光を放つ数々の遺産が残されています。ボウイというめくるめく多面体。その全体像を把握しようという試みが、この「DAVID BOWIE is」なのです。

会期 :2017年1月8日(日)−4月9日(日)
時間 :火〜木・土・日・祝 10:00−20:00(最終入場は19:00まで)
金 10:00−21:00(最終入場は20:00まで)
休館日:月曜日(ただし3/20、3/27、4/3は開館)
料金 :一般2400円、中学生・高校生1200円
http://davidbowieis.jp

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