SHIKIMEI REVIEW
ミヤケマイ・内田鋼一・長谷川まみ「江碧鳥逾白」
ミヤケマイ・内田鋼一・長谷川まみ「江碧鳥逾白」
ミヤケマイ・内田鋼一・長谷川まみ「江碧鳥逾白」

ミヤケマイ・内田鋼一・長谷川まみ
「江碧鳥逾白」

トライギャラリーおちゃのみず

ミヤケマイさんは、日本の伝統的な美術や工芸の世界観に独自のエスプリを加え、過去・現在・未来を見通しながら、物事の本質や表現の普遍性を問い続けている注目のアーティストです。その特徴は、骨董、工芸、現代美術、デザインなど、これらの分野がもつ〝繊細さ〟や〝奥深さ〟をじゅうぶんに尊重しつつも、既存の狭苦しい区分を軽々と飛び越え、新たな領域を切り拓いているところにあります。

今回は、ミヤケさんが敬愛する、長谷川まみさん(金工)、内田鋼一さん(陶)の作品とともに、掛物を発表。新春にふさわしく、年明けを寿ぐ展示となりました。タイトルの「江碧鳥逾白」という語句は、唐の時代に活躍した詩人・杜甫の五言絶句からミヤケさんが取られたそうです。

江碧鳥逾白  [川の緑に映えて、鳥はますます白く]
山青花欲然  [山の青さに映えて、花は燃えんばかり]
今春看又過  [今春もまた、みるみるうちに過ぎていく]
何日是帰年  [いつになったら、故郷に帰れるのだろう]

過ぎ去る人生時の時の速さを詠んだこの漢詩は、緑・白、青・赤と、いくつもの色彩がちりばめられ、それぞれがひそやかに呼応しあう構成になっていますが、興味深いことに、ミヤケさんの掛物にも、緑色をした松の若木をくわえた白猫や、青みのある鳥、赤い手袋など、色とりどりの遊び心が仕掛けられています。

長谷川さん、内田さんの作品も、金属や陶土など素材の持ち味を最大限に活かしながら、古典的な技法と現代的な感覚を融合させ、みずみずしい力を感じさせてくれます。さらには、作品同士が細やかな目配せを交わし合い、あたかもギャラリー全体でアンサンブルを奏でているように、3人の息のあった優雅なしつらえになっているのです。会期中、1年でもっとも寒い時期を示す大寒を迎えますが、その先の立春を待ち望むかのような、心弾む空間が生まれました。

会期 :2017年1月14日(土)−1月22日(日)
時間 :12:00−19:00(15日、22日は17:00まで)
休廊日:1月18日(水)
http://www.labline.tv/tri/

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