SHIKIMEI REVIEW
「NO JOKE」ROGER BALLEN+ASGER CARLSEN
© Roger Ballen & Asger Carlsen
「NO JOKE」ROGER BALLEN+ASGER CARLSEN
© Roger Ballen & Asger Carlsen
「NO JOKE」ROGER BALLEN+ASGER CARLSEN
Photo : Wataru Kitao

「NO JOKE」ROGER BALLEN+ASGER CARLSEN

DIESEL ART GALLERY

「NO JOKE」は、南アフリカ在住で30年以上にわたり社会的弱者を撮りつづけ世界で最も重要な写真家の1人といわれるロジャー・バレンと、ニューヨーク在住でデジタル加工による人体フォトコラージュ作品で世界的に話題の写真家アスガー・カールセンによるコラボレーション写真展。ここにある作品は、2016年に「DITTRICH & SCHLECHTRIEM(ドイツ)」「V1 Gallery(デンマーク)」「Paris Photo 2016」での発表を経て、本展用に25点に厳選された日本初公開となるものです。

2人が制作の核に根ざすのは「潜在意識への関心」、そして典型的なアウトサイダーや不可思議なものが創りだす複雑な世界の探究。作品にあるのは本来あるべきではない場所に置かれた身体部位や動物コラージュ、手描きのマスクやグラフィティ。これらが織りなす「得体の知れない」作品世界は、両作家が心と身体の関係性を追求して2013年から続けている電子メールとスカイプを使った「画像交換」により生まれました。こうした彼らの視点は、欲求を本来のものとは別の対象に置き換えることで満たそうとする「置き換え」や居場所のない気持ち、先天的に持ち合わせた断絶感によって形成され、彼らの美術的観点を写真表現で構築し伝えることへの欲求に基づいているといいます。

本共作の手法はシュールレアリスムの共同制作手法「優美な死骸ゲーム」(複数のアーティストが他者がどんなものを制作しているのか知らずに自身のパートを制作)とは似ていながらも、彼ら2人が意図的に作品を構成している点で決定的に異なります。この土台となる手法は、互いのポテンシャルをひきだし個々の才能を開花させ、本質的にオリジナルな作品づくりを確立させました。また、作品と遭遇した時にもたらされる「インパクト」は、観るひとの潜在意識に到達したことを物語っているともいえるでしょう。作品によっては「2往復」で完成したものもあるのだとか。まさに「NO JOKE」(冗談じゃない/大変なこと/ガチ)な展覧会です。

会期:2017年5月26日(金) – 8月17日(木)
時間 :11:30 – 21:00
休廊日:不定休
https://www.diesel.co.jp/art/no-joke/

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