SHIKIMEI REVIEW

Big Sky Little Moon バリー・マッギー+クレア・ロハス展

ワタリウム美術館

グラフィティ界のパイオニアでTWISTというタグで知られるアーティストのバリー・マッギーさんが、2007年のワタリウム美術館での個展から10年の歳月を経て同館に再び自由なフィーリングの風を吹かせています。今回はパートナーでありミュージャン(ペギー・ハニウェル名義)としても活躍するアーティストのクレア・ロハスさんとのコラボレーション展覧会。展示は巨大な壁面を活かしたカラフルな壁画やタギングされたメッセージ、サーフボード、鈴なりになったTWIST印のガラス瓶オブジェなどのバリー作品とフォークアートに影響をうけたクレアさんのノスタルジックな絵画作品が入り交じり、緊張と弛緩をあわせもつ独特の心地よい空気感が生まれています。

1966年サンフランシスコ生まれのバリーさんは、サンフランシスコ近代美術館、ウォーカー・アート・センター(1998年)やベニス・ビエンナーレ(2001年)での展示でアートシーンに衝撃を与えた後も、ストリートとアートを行き来して作品をつくりつづけています。「僕がグラフィティを好きなのはどんな生まれの子どもにもアートに近いことをさせてしまうからだ。普段だったらビジュアルな創作に刺激をうけることなんてない連中なのに。グラフィティは瞬間の表現や支配されない自由をどんどん意識させる。僕は子どもたちのそんな可能性を願っている。形や文章、物語そして色について大切な手引きになるだろうと思う。(作家コメントより)」そんなバリーさんの社会や人間を見つめる創作は、東京での本展覧会や宮城県石巻市で行われる「Reborn-Art Festival」で彼の作品と出会う人たちにも力を与えることでしょう。

ワタリウム美術館で「Big Sky Little Moon」を楽しみ尽くすなら、ミュージアムショップ「ON SUNDAYS」も必見です。1階にもTシャツやトートバッグ、スイムウエアなど魅力的なオリジナルグッズが展開されていますが、地下1階の書店&展示スペースにはさらに2人の軌跡を深く知ることができる多数の出版物や映像投影があり、バリーさんが即興で若手のグラフィティ作家たちと道端で描いたダイナミックな作品も壁画として鑑賞できるのです。「今ここが1番フレッシュな場所だよ」と念を押すように言って地下空間を後にしたというバリーさん。51歳になった現在も変わらないストリートへの情熱が伝わってくるエピソードです。

会期:2017年6月24日(土)- 10月15日(日)
時間:11:00 – 19:00(毎週水曜日は21時まで延長)
休館日:月曜(7月17日、9月18日、10月9日は開館)
入館料:大人1000円 / 学生(25 歳以下)800円
http://www.watarium.co.jp

ART

INTERVIEW

BOOK