SHIKIMEI REVIEW
ラファエル・ローゼンダール「Convenient」
Abstract Browsing 17 01 05 (Twitter) (detail) Tapestry, (H)200cm x (W)144cm, 2017 ©Rafaël Rozendaal, Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art, Photo: Ken Kato
ラファエル・ローゼンダール「Convenient」
Abstract Browsing 17 01 05 (Twitter) Tapestry, (H)200cm x (W)144cm, 2017 ©Rafaël Rozendaal, Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art, Photo: Ken Kato
ラファエル・ローゼンダール「Convenient」
Abstract Browsing 16 10 05 (Google Drive) Tapestry, (H)200cm x (W)144cm, 2016 ©Rafaël Rozendaal, Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art, Photo: Gert Jan van Rooij

ラファエル・ローゼンダール「Convenient」

Takuro Someya Contemporary Art 

1980年にオランダで生まれ、ニューヨークを拠点にしながらも「オンライン」で今いる場所をスタジオにして世界中で制作をつづけ、インターネット・アートの代表的芸術家と称されるラファエル・ローゼンダールさん。
2001年からこれまでに発表されたウェブ作品は113点に及び、昨年から今年6月までの展覧会開催地の軌跡をたどるだけでも[スイス・バーゼル、韓国・ソウル、エストニア・タリン、スウェーデン・ストックホルム、オランダ・ロッテルダム、日本・茨城(KENPOKU)、日本・東京(本個展)]とその移動距離がうかがえます。

「物理的な作品こそバーチャルな存在であって、美術館やギャラリーでの展覧会はそれを観察する貴重な場」— ラファエル・ローゼンダール(作家コメントより)

「Convenient」は、そんなローゼンダールさんの思想を小気味よく痛感できる絵画作品「Abstract Browsing tapestries」を中心に、最近作を加えて構成されたセンセーショナルな展覧会です。
メインの作品は、多くの人が「美」を想起することもなく便利に使っている実在のウェブサイトを作家が選び、自身が開発したアプリケーションによって幾何学的に変換。さらに工業織機でジャガードに織り込むことで、絶句するほど美的なコンポジットと色彩をたたえた絵画になっています。PCディスプレイの走査線は、ジャガード織にそのまま現れることはなく、やわらかで深みのある風合いをもつマチエールとなり心地よく視覚・触覚にうったえかけてきます。

それでもウェブサイト/作品の固有性は確実にそこに宿っているようで、チラチラと明るい色彩を撹拌する縦糸と横糸の隙間がゼロとイチによる残像のようにも思えてくるから不思議です。
このような“多様性と普遍性の重なりあう様相”は、作家の母国オランダで展開された「デ・スティル」グループの運動や作家たちも想起させます。ただし、このハイパーコンテンポラリーな作品群は、今あなたが見ているウェブ上ではなく、作品と対面することでのみ知覚できるという現在ならではの面白みがあるのです。

会期:2017年6月24日(土) – 7月29日(土)
時間:12:00 – 19:00
休廊日:日曜、月曜、祝日
助成:オランダ王国大使館
http://tsca.jp/ja/exhibition/

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