SHIKIMEI REVIEW
岩崎貴宏「ひかりは星からできている」
岩崎貴宏「ひかりは星からできている」展示風景、2017年、URANO、東京
©︎Takahiro IWASAKI, Courtesy of URANO Photo by Keizo Kioku
岩崎貴宏「ひかりは星からできている」
岩崎貴宏「ひかりは星からできている」展示風景、2017年、URANO、東京
©︎Takahiro IWASAKI, Courtesy of URANO Photo by Keizo Kioku
岩崎貴宏「ひかりは星からできている」
岩崎貴宏 アウト・オブ・ディスオーダー(薮) 2015
h.8.8 x w.15.8 x d.1.4 cm 歯ブラシ
©︎Takahiro IWASAKI, Courtesy of URANO Photo by Ichiro Mishima

岩崎貴宏「ひかりは星からできている」

URANO

扉を開けると、黒い夜の海。幾隻もの大型船舶が浮かび、ねっとりとうねる波間は星々のひかりを反射しているよう。工場萌えのスイッチがしぜんに入って記憶の中のコンビナートや、現在の海底資源が掘削されている辺境の海をイメージしながらぼんやりと見ていると、その海はゴミ捨て用の黒いポリ袋、船は使い捨てのお弁当の空容器でつくられているという本来の姿に気づき、作品のもつ同時代的な問いかけや遠心性⇔求心性にはっとしました。

この実像と虚像が一体化した風景をつくり出したのは、第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館代表作家でもある岩崎貴宏さん。岩崎さんは、1975年広島生まれ。普段から歯ブラシなど身の周りにあるモノや廃棄された不要品をもちいて別のイメージに転化することで、観るひとの意識を揺さぶる作品づくりをしています。東日本大震災の後には、計画停電で止められた横浜の大観覧車を自身の毛髪で制作。設置された望遠鏡で覗いて鑑賞するインスタレーションを横浜トリエンナーレ(2011)で発表しました。今年のヴェネチア・ビエンナーレでは、原子力や資源開発などのエネルギー問題や戦後の高度経済成長を支えながらも公害をひき起こした化学工場など周辺地域が共通して抱える問題に目を向けた作品を通して日本像を提示しています。

会場を訪れたら、ぜひ壁面に配された「星空」も凝視してみて。美しいだけではないのです。果たして、そこにある星の正体とは…!? 独自の視点から生まれる岩崎さんの作品は、私たちの現在をシリアスに時にユーモラスに映しだし、鑑賞者の視線を未来に向ける作用があるようです。

会期:2017年10月21日(土)- 2017年12月22日(金)
※好評のため会期延長となりました。
時間:11:00-18:00(金曜は20:00まで)
定休日:日曜、月曜、祝祭日
会場:URANO
住所 : 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F
HP : https://urano.tokyo

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